会長挨拶

第39回日本膵臓学会大会の開催にあたって

大会会長 今泉俊秀

 第39回日本膵臓学会大会をお世話させて頂きますことは、一人私のみならず東海大学医学部消化器外科にとりまして大変光栄なことと感謝申し上げます。日本膵臓学会は1970年に日本膵臓病研究会として発足し年2回開催されておりましたが、1986年第17回より学会となって発展し続けております。1970年は私が医師となった時で、同様に年輪を重ねてきたことは不思議な縁でもありますが、日本膵臓学会の目覚しい発展には畏敬の念を抱いておりました。膵外科をライフワークとして参りました私は、日本膵臓学会で育てて頂いたものと諸先輩方に感謝致しております。
 我が国の膵臓病学には多くの先達方による世界的な業績があり、その中核にある日本膵臓学会は最もactiveな活動をして参りました。「膵」という繊細な臓器の形態・機能、胆膵や消化管との臓器相関、生理・生化学・病理など基礎的課題に魅了されると同時に、難治癌である膵癌をはじめとして日常臨床の現場では各種診断法、内科的・外科的治療、補助化学療法など未だ尚、未解決な問題が山積しております。本学会には膵臓病の専門家のみならず、研究に成果や課題を持つ方々、臨床的に難渋した経験を持つ多くの方々が一同に集い、知識と経験を共有して自由闊達に明日への展望を語り合えることが出来れば幸甚と考えております。その意味でも次世代を託する若い諸君の萌芽的研究や臨床経験の発表を期待しております。
 本学会の開催に際し、サミットなどの政治的事情で会期・会場の決定が遅れてしまい大変ご迷惑をおかけしました。7月30、31日は夏休みの只中ではありますが、暑さに負けないホットで実りある大会になるようスタッフ一同鋭意計画しております。多数の皆様のご参加を横浜でお待ちしておりますので宜しくお願い申し上げます。

会長写真